軽井沢の室生犀星記念館は、詩人・小説家の室生犀星が、昭和6年(1931)から亡くなる前年の昭和36年まで毎夏を過ごした別荘である。
門を入ると美しい苔の庭が広がり、それを囲んで、軽井沢では珍しい和風の建物3棟が建つ。昭和6年に主屋が建てられ、その後、書斎と離れが建てられた。現在「書斎」と呼ばれている建物は、当時は道路側の「離れ」と呼ばれていたようであり、犀星は主屋を仕事場としていた。庭は犀星自身が庭師とともに毎年手を入れていた苔庭である。
今回の工事では、耐久性に不安のあった屋根を当初の杮葺に近い姿の銅板葺に改め、土台や柱、外壁などの損傷部分を修理した。また、工事中に主屋の当初の板図が見つかり、増改築の経緯も明らかになった。他の棟にも増改築の跡が確認されている。