私たちは、
『伝統技法研究会』は、
私たちの取り組み
調査・研究
調査は、長い歴史を重ねてきた建物を理解するための「診断」です。建物を実測し、間取りや構造、材料、技法などを丁寧に調べ、その歴史的・建築的価値と損傷の程度を明らかにします。調査によって得られた科学的な資料や知見は、安全性や機能性等を総合的に判断し、保存や活用を考えるための基礎資料となるだけではなく、私たちの継続的な活動を支える土壌となっています。
歴史的建造物の調査から学んだ知見を、現代の暮らしや社会に活かします。自然環境と共生してきた伝統的な建物からは、現代社会が抱えるさまざまな課題を解決する手がかりを得ることができます。建物が持つ価値や特性を尊重しながら、調査・研究の成果と建築家としての創造力を結びつけ、次世代につなげる活用方法や耐震改修を企画・設計します。
歴史的建造物は、長い年月をかけて受け継がれてきた職人の技によって支えられています。建物に残された技法を調査によって明らかにし、損傷した箇所は現代の職人との協働によって修理に関わります。伝統技法を単に保存するのではなく、現代の技術や材料とも調和させながら、これからの建物に活かしていきます。
古い建物を壊す前に、そこに残る価値や魅力を見つめ直すことから始めます。傷みが激しくなったり使いにくくなった建物を、現代の暮らしに合う快適な建物へ再生することや、使われていない蔵などを、書斎やアトリエ、地域の活動拠点などに活用することも可能です。やむを得ず解体される場合にも、良質な部材を記録・保存し、別の建物へ転用することでその価値を未来へつなぐことができます。
建物の調査や修理工事などの過程を、実測図、報告書、写真、映像、模型などによって記録しています。これらの記録は、将来の研究や活用に役立てるとともに、会報『伝統技法』や書籍などを通して広く発信しています。また、連続講座「伝技塾」で得られた知見を書籍としてまとめるなど、伝統的な建築と技法を次の世代へ伝える活動にも取り組んでいます。
歴史的建造物を未来へ受け継ぐためには、建築の専門家だけではなく、建物の所有者、地域の方々、職人、研究者、行政など、多様な立場の人々との連携が欠かせません。工事中の建物や職人の仕事を間近に見る見学会、講座、研修会などを通して、専門家と一般の方がともに学び、考える機会を設けています。活動から得られた知識を共有し、人と人との交流を育むことも、私たちの大切な役割です。