伝統技法研究会は、2008年から中野区内の歴史的建造物の調査を行ってきた。中野区は戦災によって区内の建物の大半を焼失し、強制疎開によっても多くが失われたが、区内の東西南北を路地の奥までくまなく歩いた今回の調査により、予想を上回る数の戦前の建物が残っていることが確認された。700余棟に及ぶ建物のなかには、区内唯一の草葺屋根の農家、明治の洋館、落ち着いた佇まいの和風建築、関東大震災後に移り住んだ人々による新しい様式の住宅、画家のアトリエ、往時の面影を残す下宿屋などが含まれている。
この調査の成果は報告書として刊行された。報告書は、居住者への聞き取りや関連資料も紹介しながら、中野の歴史を物語る建物を記録したものである。
※報告書に関する問い合わせ先:中野区文化財担当(TEL 03-3228-8731)