埼玉県川越市の旧川越織物市場と旧栄養食配給所において、耐震補強を施しながら保存修復・活用整備工事を行った。旧川越織物市場は東棟と西棟からなり、明治43年(1910)に建てられた、同じ間取りが連なる長屋形式の建物である。旧栄養食配給所は、繊維工場などで働く女性労働者の労働環境を改善するため、栄養管理を中心に均衡のとれた食事を提供する共同炊事場として、昭和9年(1934)に設立された。いずれも川越市の産業遺産として重要な建造物であり、平成17年(2005)に市の指定有形文化財となり、平成27年(2015)には歴史的風致形成建造物にも指定された。
旧川越織物市場は令和2年(2020)、旧栄養食配給所は令和4年(2022)にそれぞれ着工し、令和6年(2024)4月、通称「コエトコ」の名で、文化創造インキュベーション施設(起業家の育成や新しいビジネスを支援する施設)として公開された。
敷地内には、火気を使用できる水廻り棟を東棟・西棟の裏側に、交流機能施設(カフェ棟)を道路際に新築し、活用の幅を広げた。