婦人之友社社屋は、昭和38年(1963)に遠藤楽が設計した、家庭的な雰囲気をもつ革新的なオフィスビルである。道を挟んだ北側には、遠藤楽の恩師フランク・ロイド・ライトと父遠藤新が協働した自由学園明日館があり、西側には遠藤新設計の明日館講堂が建つ。雑司が谷のこの一角は、婦人之友社と自由学園の創設者である羽仁もと子・吉一が理想を形にしていった地であり、ライトから続く建築の系譜をたどることのできる稀有な場所である。
調査は豊島区の依頼により、婦人之友社社屋を歴史的建造物として評価することを目的として実施し、建物の詳細調査、聞き取り調査、文献調査を行った。これらをもとに『婦人之友社社屋歴史的建造物調査報告書』をまとめている。